近年、社会保障制度の改革が進む中、生活保護の不正受給に関する問題が注目されています。
生活保護は、貧困に陥った人々が生活を維持するために、国や自治体が提供する支援制度です。
しかしながら、中には支援を受けながら不正に収入を得ている人もいます。
今回は、過去に起こった不正受給事件を3つ取り上げ、問題の深刻さについて考えていきたいと思います。
生活保護の不正受給の事例3選
事例1：福岡県盛岡市での不正受給事件（2021年報道）
公判資料などによると、この男女は青森県八戸市のホテルに2018年8月から今年3月まで滞在していたが、実際に支払った金額よりも多くした領収書を盛り込んで盛岡市に提出していたとされる。
彼らは、971泊分の住宅扶助として、盛岡市から約1,440万円を詐取したとされている。
また、2006年9月から2007年3月に提出された領収書については、男性被告人は違法な支払いを受け取っていないと否認し、「私が受け取った正確な金額をホテルに支払った。
残りの113万5000円については、男性被告人は、政府の「Go To トラベル」観光支援プログラムの割引を利用してホテルに滞在していたにもかかわらず、市に通常料金の領収書を送ったことを認めたが、市を騙すつもりはなかったと主張した。
捜査員によると、男女は90代の被告人の父親と一緒に盛岡市内で暮らしていたが、2014年10月に家賃の滞納が原因で立ち退かれ、市に生活保護を申請した。
市は、家族3人で住宅扶助の最大額を月4万円と定めているが、この男女が受け取った金額は月45万円に上った。
検察の開廷陳述によると、男女は市職員の間で「難解な苦情を言う人たち」として知られており、市は何度も住宅の確保を求めたが、彼らは「高齢の父親と一緒に移動できない。
彼は受け取った給付金の一定額しか受け取れないとしつこく主張し、全額受け取らないと生活ができない」とホテルでの生活を続けたという。
参考元：読売新聞オンライン（参考元のURLが削除されている場合があります）
事例2：大分県での不正受給の事例
大分県で、夫婦が6年以上にわたって生活保護を不正受給し、約800万円を不正に受け取ったとして、大分県警が老夫婦を逮捕。
1.不正受給の手口
夫婦は、実際には生活保護が必要なく、収入があったにもかかわらず、虚偽の申告をして不正に生活保護を受け取っていました。具体的には、自分たちの持っている貯金や預金、株式などの資産を隠し、生活保護を受給するための条件である「資産額の上限」を超えないようにしていたとされています。
夫婦が不正受給をしていたことが発覚したのは、近隣の住民が夫婦が普段から高級な車に乗っていることに疑問を持ち、県に対して通報を行ったことがきっかけでした。
その後、大分県が調査を進めた結果、夫婦が生活保護を不正に受け取っていたことが判明し、大分県警が逮捕に踏み切ったという経緯があります。
生活保護は、必要な人に適切に支給される制度であり、不正受給は社会的に許されるものではありません。今後も、生活保護制度の適正な運用に向けた取り組みが求められます。
参考元：西日本新聞（参考元のURLが削除されている場合があります）
事例3：富山県での不正受給の事例
富山市在住の地方公務員が、所得があるにもかかわらず生活保護費を詐取した容疑で、4月24日に逮捕されました。 逮捕された容疑者は、富山市新庄町の地方公務員、下柳俊巳容疑者（64歳）です。
警察によると、下柳容疑者は、平成31年4月から同年11月にかけて、公的扶助費を不正に受給した容疑で逮捕されました。
警察は、富山市から相談を受けて捜査を進めています。 容疑者が受け取った生活保護費の総額は、約200万円に上ります。
警察に対し、下柳容疑者は「所得がないと偽って、疑いもなく生活保護費を受給した」と供述しています。
警察は、容疑者の動機について詳細に調査しています。
参考元：NHKニュースWEB（参考元のURLが削除されている場合があります）
＜3つの事例に共通する問題点＞
ここまで挙げてきた事例に共通する問題点は、不正受給者たちが虚偽の情報を提供することで、支援を受けるための条件が満たせるように装っていることです。
例えば、不正受給者が必要以上に高価な宿泊先を利用し、それを受給基準内に納めるために実際に支払った額よりも高い金額を申告していることが挙げられます。
また、必要以上の資産や収入を隠して生活保護を受給するといったケースもあります。
これらの行動は、生活保護を必要とする人々に必要な支援を提供できなくするだけでなく、社会全体の信頼性を損なうことにつながります。
不正受給ばかりが目立つが生活保護の受給は恥ずかしいことでは無い
生活保護を受けることは、本来は誰にでも起こりうる困難な状況下で、国や地方自治体が提供する社会保障制度の一つです。
生活保護は、助けを必要としている人々が一時的な困難から抜け出すために必要な支援を提供しています。
不正受給の事例を紹介しましたが、私は生活保護イコール不正受給、という風に結びつけたいわけではありません。
不正受給の事例は全体の10％にも満たないです。
生活保護の受給を実際にすれば、恥ずかしいことではなく、むしろそのようなサポートがあることが素晴らしいことだと感じることができます。
また、生活保護を受けることは、社会の問題ではありますが、受給者個人が問題を抱えているわけではありません。
生活保護を必要としている人々は、誰もが平等に支援を受ける権利があり、差別や偏見の対象になることは決してありません。
つまり、生活保護を受けることは、人として恥ずかしいことではありません。
むしろ、社会的なサポート制度として、必要なときに支援を受けることができることは、多くの人々にとって希望を与えるものであり、誇りに感じることができると思います。
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